真田十勇士の紹介:2016年日本映画。2014年に上演された舞台「真田十勇士」を映画化。今から401年前に、徳川家康に最後まで逆らい、王手の一歩手前まで行って散ったために「日本一の兵(つわもの)」と言われた真田信繁(真田幸村)の映画。「真田幸村は腰抜けだった?」策士、猿飛佐助が大逆転の奇策を思いつく。十勇士VS徳川軍20万人。不可能を嘘で誠に出来るのか?
監督:堤幸彦 出演:中村勘九郎(猿飛佐助)、松坂桃李(霧隠才蔵)、大島優子(火垂)、永山絢斗(根津甚八)、高橋光臣(筧十蔵)、松平健(徳川家康)、加藤雅也(真田幸村)、大竹しのぶ(淀殿)、ほか
映画「真田十勇士」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「真田十勇士」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「真田十勇士」解説
この解説記事には映画「真田十勇士」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
真田十勇士のネタバレあらすじ:幸村との出会い
絵巻物が登場し、徳川VS豊臣の戦国最後の戦いが始まろうとする説明が行なわれてる最中に、絵巻物(金の屏風絵)が唐突にアニメになります。パンフレットを読むと、本来、「真田十勇士」の舞台は十勇士の集結だけで物語の半分(一幕)を消費する為、アニメにして7分で説明することにしたそうです。なので、本来、前後編4時間の映画になる可能性もあったわけです。この辺、堤監督だけに「トリック」シリーズのような小気味よさがあります。大体30分アニメの前半、Aパートくらいの時間とも言えます。キャラデザは「ガンダムSEED」や「GANGSTA」で作画監督をつとめた植田羊一さん。劇画風のキャラデザで、役者さんが喋った声や表情を元に作画するプレスコ方式なので、この後、実写になっても、あまり違和感はないです。真夜中、村人が火のついた松明を持って、あばら家(古寺?)を囲んでいました。そこに入っていく浪人が1人。どうやら立てこもり犯と人質交換の申し出をするようです。犯人は、長宗我部家のご落胤を名乗って、村に住みつき、金品や食料を要求していたようですが、バレたために、村娘を人質にして、お堂に立てこもったようです。浪人は名乗ります。幸「拙者は真田源二郎左衛門佐幸村。人質にするなら、拙者の方が身代金は高く取れると思うが?」 犯「ゲッ? あの、天才軍師の? 参りました。降参です。」 幸「なら、娘を離してやれ」 解放された娘は悪態をついて、逃げ去ります。「バーカ、死んじまえ」でも幸村は、ため息をつきます。「やれやれ、逆上した強盗の返り討ちで死のうと思ったものを、誰も彼も勝手に、ワシを軍師扱いする。困った物じゃ。」犯「ん? アンタ、知略・策略の人じゃないの?」 幸「世間が勝手に勘違いする武者振り(イケメン)がいいのも生きにくいものじゃ」 犯「アンタ、死に体のかい?」幸「このままでは、ワシは豊臣の誘いで徳川と戦わなくてはいけなくなる。」犯「そうかい。なら、その知将顔で、世間をあっと言わせてみないか?」幸「何か、考えがあるのか?」 幸「オイラの嘘で、アンタを本物の天下一の武将に仕立て上げて見せようじゃないか。」その男の名は猿飛佐助と言いました。筆字で「真田一勇士」のテロップ。変幻自在で、使用武器は短刀と火薬、敏捷性4、知性5、ユーモア4.(佐助は猪突猛進の熱血バカのイメージですが、この映画では軍師キャラでもあります。)
真田十勇士のネタバレあらすじ:集結!真田九勇士?
佐助はまず仲間を集めることにしました。しかし、2人の山賊に絡まれます。戦おうとすると、竹林の上から降ってきた男に襲われました。佐助は何とか、短刀で刀を受けますが、頬が切れ血で濡れています。山賊の親玉のようですが、佐助と顔見知りでした。佐助は吹きこみます。「真田家を乗っ取る。」「何?」仲間が3人増えました。
雲煙飛動:霧隠才蔵 真田ニ勇士 使用武器:刀、マント 冷静さ4 知性4 忍術5
怪力無双:三好清海 真田三勇士 使用武器:槌・両剣 明るさ4 腕力4 仲間思い5
韋駄天走り:三好伊三 真田四勇士 使用武器:棒 走力4 優しさ3 チームプレー4
次に仲間になったのは由利鎌之助。14年前の関ヶ原の戦いの生き残り。そこで佐助は、「謎の勇士が幸村の元に集まっている」という噂を流し始めます。
槍一筋:由利鎌之助 真田五勇士 使用武器:槍 戦闘力5 明るさ1 精神力4
この辺りで、「当映画はアニメ作品ではありません。まもなく実写の本編がはじまります。」と説明が出ます。佐助と才蔵は抜け忍。その追手の久々津衆に囲まれた時、助っ人をしたのは、融資の噂を聞きつけた筧十蔵でした。唐辛子の粉で目つぶしを食らわしたのでした。技は豪快でも、その喋り方や性格は繊細(お姉)です。
豪放磊落:筧十蔵 真田六勇士 使用武器:刀・唐辛子の粉 才覚3 酒の強さ4 女子力5
その頃、高野山・九度山にある真田の郷では幸村の子供・大助が剣術指南役の望月六郎に稽古をつけられていました。幸村としては、跡継ぎである嫡男を巻き込む気はなかったのですが、本人がやる気では仕方ありません。大「父上、ぜひ家来に」望「殿、拙者もお供、仕ります。」幸「う、うむ」猿「これで8人」
最年少:真田大助 真田七勇士 使用武器:刀 忠誠5 派手さ1 武力4
真田家剣術指南役:望月六郎 八勇士 使用武器:刀 真面目さ5 素直さ5 武力2
最後の一人は真田家の勘定方である海野六郎でした。その理由は、佐助が「この際、アンタでもいいか」といって、勘定帳を奪うと、意外に言い反応で追いかけてきます。「これで9人!」と、突かれた短刀を交わしながら勘定帳を返します。
謹厳実直:海野六郎 真田九勇士 使用武器:そろばん 知性4 真面目さ5 武力2
こうして、9人揃いました。カッコよく日輪をバックに「真田九勇士」とタイトルが出ます。アレ? 十勇士じゃないの? と思った方は、十人揃うまで、もう少しお待ちください。
真田十勇士のネタバレあらすじ:大坂入場
9人揃ったのですが、幸村はまだ大坂に行く気はありません。この頃は大阪ではなく大坂です。佐助と才蔵はせかしますが、幸村にも事情がありました。9カ月前、淀君が九度山に忍んでやってきました。おそらく、1614年の1月か、1613年の12月頃でしょう。淀君と幸村が以前に会ったのは、秀吉の葬儀の時でした。NHKの「真田丸」では信?と茶々の出会いは1587年頃です。あと、秀吉の葬儀は行われませんでした。史実でも秀吉の葬儀は行なわれていない方が有力らしいです。ともあれ、この映画では、秀吉の死後、1598年に出会ったそうです。この頃の幸村は、まだ歴史的に名前を上げていないはずなのですが、淀君は一目ぼれだったようです。大竹しのぶさんが淀君を演じているのですが、「後妻業の女」以上の老け方をしています。白塗りをしているせいもあるでしょう。もしくは着物映えしないのでしょうか? 演出かもしれません。後、日本人は頭周り(鉢)が大きいため、真ん中分けにすると余計に頭が大きく見えるらしいです。幸村は若々しく加藤雅也さんが演じています。2人は6歳しか違わないんですけどね。淀君は1569~1615年で享年49歳。信繁は1567~1615年なので享年51歳。史実では、信繁の方が2歳年上だったようです。ともかく、淀君は打掛を上だけ脱いで、幸村の胸元に手を突っ込んで迫ります。「あの時からお慕いしていました。」幸村は、無表情で何も答えません。「このたくましい胸板」と淀君は、続けますが、やっと声を絞り出せた幸村は拒絶します。「お気持ちは嬉しいですが、拙者は、お方様の期待に添えるような男ではありません。」淀君は、豹変します。「そうか、幸村よ。まもなく徳川との戦がはじまる。その時には、我が豊臣の武将として働いてくれることを期待していますよ」そう言い残すと、そそくさと、真田の郷を後にします。回想が終わり、幸村の腹は決まりました。大坂へ入城を鳴り物入りではじめます。(本来は隠密で入城するのですが)「真田幸村様と9勇士、ご入場」 総出でお迎えです。後藤又兵衛、長宗我部盛親、毛利勝永、大野治長・治房兄弟などの顔も見えます。しかし後藤又兵衛は「随分大勢おるが、武士らしいものは全くおらんのう、ワッハハハ」それを聞いた佐助は、又兵衛に襲い掛かります。「何をする」と身構える又兵衛でしたが、佐助は頭を飛び越えただけでした。そして、又兵衛の頭には黄色い花が刺さっていました。そして、佐助は屋根の上にいて大坂城を見上げて「でっけーな」と言うのでした。
真田十勇士のネタバレあらすじ:真田丸
真田主従にも部屋が割り振られました。幸村は佐助と才蔵に関ヶ原時の第2次上田決戦について語っています。14年前の1600年の時の話です。幸村は上田城を出て、逃げまくった結果、秀忠本陣に切り込んで大勝利を収めたというのです。でも佐助と才蔵は何度も聞かされた話のようで、「ハイハイ、偶然勝ったってんだろ。分かってるって」と佐助は言います。問題は、明日の軍議です。佐助には策略があるようです。で、第2次上田決戦ですが、実際は父親の昌幸もいたし、真田軍はゲリラ戦を繰り返していました。その内に、総攻撃を仕掛けようとしていた秀忠が家康の召集により、本体のみ関ヶ原に向かいますが大遅刻することになります。さて軍議の席で、もっともらしい顔をして座っている幸村は内心、冷や冷やしています。そこに助け舟が来ました。佐助がイヤホンのようなものを垂らしたのです。佐助がメガホンのようなもので指示を出します。軍議では、籠城か、出撃開戦かで揉めています。そこで、佐助の指示は「徳川と合戦しようと言うのに何と弱気な。でも流石、天下の大坂城、そう易々と攻め落とされないでしょう。ですが、それを決めるのは我らが総大将・秀頼様の判断にお任せしとうございます。」そして、その通り言う幸村。でも、才蔵が口を挟みます。「大坂城には弱点がある。それは南の平手口だ」その通り言ってしまう幸村。天井裏では、佐助と才蔵がメガホンの取り合いをしていました。「バカお前、何言ってるんだと。貸せ」下では、当然、秀頼が聞いてきます。「では、どうすればいいのだ」 仕方なく佐助は「この平手口に出城を築きます。3カ月もあれば出来ましょう。そして拙者に任せていただければ、この大坂城に徳川の兵を一兵たりとも近づけません」何とかまとまりました。天井裏の2人も消えました。才蔵は佐助に言います。「お主は何でも行き当たりばったりだな。何が真田家をのっとるだ。お主は、幸村殿を本物にしたいだけじゃないか」佐助もいいます。「まー、そう言うな。真田丸に引きこもれば、軍議にも出なくて済む」と涼しげな表情です。夜、十勇士の部屋から何かが投げられ投げ返されました。どうやら内通者がいるようです。寝つけないが佐助と才蔵が外に出た時、囲まれました。抜け忍の2人は久々津衆から追われる立場だったのです。率いるのは仙九郎です。2人の顔見知りですが、仙九郎は才蔵としか話をしません。佐助は食い下がります。「俺も抜け忍なんですけれど…」問答無用で攻撃が始まる…かと思いきや、周りの忍者たちはバタバタと倒れていきます。倒れた忍者たちは吹き矢が刺さっていました。木の上に、くの一(女忍者)の火垂がいました。そして、また才蔵と話し始めます。要するに男女間の痴情のもつれ的な殺し愛というヤツです。「お前は私が殺す」とか言ってきます。さらに、久々津州の頭領、久々津壮介まで出てきました。壮介は、「お主らは絶対に勝てん」と言い残し、撤退の号令を出し、全員、見事に消えました。無視され続けた佐助は白けてます。
真田十勇士のネタバレあらすじ:真田九勇士の偽物
真田丸の建設が始まった頃、大坂の城下町では、浪人が飲食店で飲み食いしてました。女中に酒を呑ませる際に、後ろを向いた隙にお尻を触ります。女中は悲鳴を上げて逃げますが、起こることはできません。何故なら、大坂城を守る真田九勇士の1人だからです。ホントでしょうか?やはり、まもなく捕まりました。名は根津甚八。9人もいれば、そんな名前の勇士もいたかもしれない…という人々のウロ覚えにつけこんだ詐欺でした。でも、捕まって、なお開き直ります。「俺とお前らの違いは運が良かっただけ」そう言って抜いた剣はサビてます。全員笑います。「何がおかしい。俺はこれでも武家の生まれ。落ちぶれて百姓をやってただけだ。」佐助は、映画冒頭で長宗我部の嫡男を名乗っていただけあって、少し同情もしていますが、残りの8勇士は、偽者を許す気はありません。甚八は切りかかりますが、あっさり、才蔵に組み伏せられ、首元に刀を突きつけられます。もはや風前の灯です。でも、佐助は「待った!」と声をかけます。「どうも九勇士って、語呂が悪いと思っていたんだ。どうだい、お前さん、この際、本物の真田十勇士になってみないか?」当然、才蔵は反対しますが、他の7勇士はそうでもないようです。三好兄弟は、「語呂って何だ?」とか言ってます。(度々出てくるセリフです。)「よし決まった。これで10人」そして、ドーンと「真田十勇士」のタイトルが出ます。
真田十勇士のネタバレあらすじ:合戦の始まり
いよいよ戦いが始まります。徳川勢の20万人を描くために、真田丸から見上げる幸村から茶臼山から見下ろす家康までを俯瞰で映します。CGも使っているのでしょうが、なかなかの迫力です。幸村は、号令をかけます。「ぇぇぃぉー」声が裏返って勘高い声になってしまいました。佐助はこけます。他の兵も顔を見合わせます。改めて、力強く渋い声で「えいえいおー」兵も答えます。「「「エイ、エイ、オー!!!」」」実は、最近の研究では、真田丸の周辺には城下町、厳密には寺町があったのですが、この映画では、崖に真田丸がむき出しの状態で建設されています。寺町の寺は一番外側にあり、そこに村人を集めて、集会をしたりしていたというようなことをブラタモリの沼田城の下りでやっていました。沼田城は信繁の父、昌幸が作った城です。その設計思想を信繁も受け継いでいたのでしょう。勿論、合戦が始まれば、村人は逃がして、寺町の建物を障害物として利用したのです。さて、合戦です。堀も掘ってないので、徳川軍は易々と接近し、火縄銃で一斉に射掛けます。とはいえ、土塀に打ち込んでもね。竹の盾は撃ち抜けても土塀の貫通は難しかったのでしょう。土塀には小さな10cm四方の四角い穴がいっぱいありました。そして、近づいた徳川軍に対して、一斉に射かけたのです。家康の本陣前に、あまり他の時代劇で見たことない人がいました。吠え男という役目の人で前進・撤退を巨大角笛をメガホン代わりにして「行け―」「引け―」と知らせる人らしいです。実際、大人数の合戦中に1人の声はかき消されるだろうから太鼓やほら貝でよくね?堤監督流のケレン味なのかもしれません? 映画的には分かりやすいけど。ともあれ半円状の真田丸には、2つの木柵と土塀がありました。徳川軍は3方向から攻めます。木柵は、騎馬対策です。本来は、木柵の外側に堀を掘っているのですが、分かりやすさからか掘っていません。後、貴重なサラブレッドに怪我させてしまいかねませんし。戦国時代の馬はポニーサイズだったらしいです。その頃の日本人の平均身長が155cmだったこともあります。汗血馬ことサラブレッドは8代将軍・吉宗の時代に輸入し始めたそうです。後、蹄鉄が日本に打たれ始めたのは明治以降で、戦国や江戸時代には馬沓という草鞋を履かせていました。というのも大和馬の爪は強かったこともあるらしいです。で、対する真田十勇士を率いる真田軍は、登ってくる兵には石や岩を投げつけます。当然、徳川勢は総崩れになります。石投げは、NHK大河ドラマ「真田丸」でも信繁が上田決戦で使っています。佐助は大小の2刀で奮戦し、才蔵はマントを広げて滑空します。筧十蔵と由利鎌之助は柵にロープを縛り付けて体を固定し、刀と槍で徳川勢を薙ぎ払います。三好清海と伊三は怪力と刀で柵の中で、登ってきた徳川勢を叩き落とし、海野六郎は算盤で計算しています。火縄銃の弾薬計算など兵站のかもしれません。大助は鉄砲傷を受けました。望月六郎は、大助をかばいながら奮戦します。唯一戦わなかったのは、物置に隠れて震えていた根津甚八だけでした。幸村も戦っていませんが、少なくとも櫓で立ち続けて、戦況を見守っています。徳川軍の大敗を聞いた家康は、「おのれ真田め」と軍配を折りました。
真田十勇士のネタバレあらすじ:二日目
1日目は大勝利に終わりました。その晩は酒盛りです。そこで、1人酔っ払い大言を吐いてる者がいました。戦っていないはずの甚八です。なれなれしく、鉄砲傷を受けた大助に語りかけます。「初陣は怖かったろう。でも、怪我してよかったな。当分、戦に出ずに済むぞ」海野六郎が言います。「根津との、そなたが物置に隠れて戦ってなかったことは、ここにいる誰もが知っておる。誰も指摘しないのは武士の情け」そう言われると「どいつもこいつも俺をバカにしやがって」とそそくさとその場を去ります。でも大助は言います。「あやつの言う通りじゃ。わたしは怪我をしてホッとしておる。私は戦が怖い。」それに対して由利鎌之助は言います。「拙者とて、戦は未だに怖おうござる。」「関ヶ原から戦われている百合殿でもですか。では何故戦うのです?」「私は、自分が殺されるのも怖いが、折角できた、そなたら仲間が傷つくのも怖い。それを守る為でござる。まー、そなたらは守らずとも殺されはせんだろうがのう。」ガハハハと、皆で笑います。厳密には、何日後かもしれません。徳川軍は、大砲を出してきました。でも、真田軍は穴が開いた油樽を投げ、兵士が油をかぶったり、地面に染み込んだり、油たまりが出来たところへ佐助の焙烙玉爆弾で、引火させます。当然爆発し、兵士は吹っ飛んだり燃えたりします。また、3人がかりで持つ巨大な火縄銃で射撃をします。史実の真田軍も、この大筒と寺町の障害物で徳川軍を寄せ付けず、その攻略に、地下から鉱山の職人を連れてきて、櫓までトンネルをほるのに、十数日を要したようです。そして、ひるんだ徳川軍を討って出ます。その時でした。長宗我部軍が守る八丁目門で爆発が起こります。才蔵に抱えられた佐助は飛びながら爆裂弾を投下して加勢に行きます。何とか、突入された徳川軍を撃退します。でも甚八は木柵で震えていました。ところが、やっとの思いで辿り着いた敵兵と遭遇します。戦うしかありません。甚八はやっとの思いで勝ち、他の者の勝ちどきにも参加することが出来ました。その晩の酒はおいしく飲めましたが、ふと佐助の真意が気になりました。2人きりになった時、聞きます。「どうして俺を十勇士に入れたんだ?」「お前と俺達が似てるからだよ。」「似てる?」「九勇士という嘘をついたお前と、俺達は無名の十勇士。それが本物の武士である徳川軍を倒す。これほど面白い嘘はないだろ。嘘も突き通せば本物になる。本物になろうぜ」でも、才蔵が水を差します。「それだけじゃない。お前は秀頼公と年恰好・背丈が似てる。いざという時、お前を影武者にするためだ」漸く心を開きかけた甚八は、ショックを受け、その場を去ります。才蔵はとどめを刺すのように「逃げたか」 佐助は「おい甚八、それだけじゃねーぞ。才蔵、何で言うんだよ」才「お前の行き当たりばったりには、ついていけん。」その頃、大坂城では淀君が寝所に大砲の砲弾を撃ちこまれて、徳川軍への和平交渉になり、講和になりました。史実でも、侍女がその砲弾の破片で亡くなったりしたそうです。実際、当時の大砲の命中精度は低く、徳川側としても轟音で脅かせればいい…との算段で、たまたま当たりどころが悪かったとしか言いようがありません。
真田十勇士のネタバレあらすじ:講和から再戦
その和平交渉の内容は、徳川側の使者は、「石垣を少し崩したり、堀を少し埋めるだけですよ」、などと言ってるわけですけれど、天井裏の佐助と才蔵は大反対。でも、イヤホン(糸電話)の糸が切れました「「あ!」」 幸い、幸村に意見は求められませんでした。でも、淀君の鶴の一言で講和による埋め立ては決まってしまいました。才蔵が一人きりになった時、火垂が矢文を放ってきました。その手紙を見て、才蔵はギョっとします。火垂は「お前たちは決して勝てない」と言い残します。そこに由利鎌之助が声をかけてきます。「八丁目門の爆発、どうやら細工がしてあったらしいぞ。しかも、徳川軍への突入時と同時だ」 佐助も、それを聞きつけます。「何が言いてぇんだよ。」才「俺達の中に内通者がいるのか」佐「そんなわけあるか。ウ●コくわすぞ」結局、外堀どころか、内堀まで埋められ、真田丸も壊されてしまいました。「これで、大坂城は裸同然だな」大坂城には3年戦える兵糧があっても盛者必衰。形あるものはいつか壊れます。大砲でバンバン撃たれれば、当然落城は間違いなしです。史実では、この後、堀だけは掘り返すのですが、大坂夏の陣が再び始まります。でも、内・外堀を掘り返したなら、多少戦えそうですけれど、真田丸はありません。やはり、落城は時間の問題なので、籠城せずに野戦で決戦することになります。ここで、映画では語られませんが、真田軍は冬の陣で家康が本陣を敷いた茶臼山に陣を敷きました。第2真田丸と言われることもあります。山自体が天然の要害なので築城もいりません。でも、待ち伏せされた後藤又兵衛は無念のうちに亡くなります。しかも、首を切られ、その首が地面に落ち、目から血涙を流します。やや人形っぽいです。でも、特にR指定がない映画で血しぶきが出るのは珍しいです。時代劇なら許されるのでしょうか? ちょっと、心の準備が出来てなくてビビりました。で、満月の額飾りをつけた鎧兜の又兵衛の首と切り落としたのは、どうやら柳生但馬守宗矩だったようです。要するに柳生です。額当ては四天王像と思いきや釣竿と鯛を持った恵比寿様のようです。たとえば、現代劇でR-12の「寄生獣」では血しぶきと切断面が写らないようにする工夫がされています。何故か、後藤十兵衛の散った場所で見つめている者がいました。ひげをそり、真田軍の鎧である赤備えを身にまとった甚八です。ここまでヒゲ面で、髪もボサボサで汚い身なりだったので気づきませんでしたが、秀頼公と瓜二つです。(2役なので当たり前なのですが)
真田十勇士のネタバレあらすじ:幸村の告白
佐助は大坂城に忍び込んでいました。淀君の寝所の天井です。淀「誰じゃ」佐「おおっと、お静かに。俺は、真田の殿、幸村様のお返事をアンタ伝えに来ただけだ。」淀「幸村様の?」佐「あー、こーゆーの苦手なんだよな。じゃ言うぜ。お方様のことを、お会いした頃から、すぅーっとお慕い申し上げておりました。何があろうと最後まで、あなたの兵として戦います…だとさ。」淀君は涙を流します。(大竹しのぶさんは「どっちの目で泣きます?」とカメラ位置を気にして涙を流すことができるそうです。)佐「でさ、アンタからは伝言ないかい」淀「私は、そなたに守られる価値はない女じゃ…と伝えておいてくれ」佐「それは言えないな。アンタら面倒臭い。さっきのアンタの涙と、気持ちに応えてくれて嬉しい…とだけ伝えておくぜ。」淀「そうじゃな。そう伝えてくれ」最後の夜、九勇士は酒盛りをしていました。1人いません。それぞれは、今夜が最後と覚悟を決めています。鎌之助は「わしは、平和な世に生まれ変わったら、美しい妻を娶り、子供を作り育てたい」十蔵は「由利殿、らしくないですな」とか言っている。佐助は、まだ諦めてないのか、何やら思案顔です。海野六郎は「ワシは明で貿易をし、儲けてから」三好兄弟「「儲けてから?」」海「殿にお仕えしたい」望月「カー、今と変わらんではないか」そこに、幸村が現れました。全員、居住まいを整えます。「大助に全部、話してきた。今宵が最後だからの。」佐「全部って、まさか?」そこに大助が現れました。大「全てを聞かされてきた。私はこれまで父上を誇りと思ってきたのに、あなたをもう父とは思わない。あなたが父であることは恥です。」佐助は怒ります。「大助、てめー」でも幸村は言います。「いいのじゃ。わしはそなたらを騙してきた。すまなんだ。」そう言って土下座します。佐助と才蔵、大助以外の7勇士は訳が分かりません。結局、幸村は話しました。他の7勇士は幸村が天才軍師と信じたからこそついてきたのです。それが佐助と才蔵の傀儡と知って、ショックを隠せないようです。でも話はそれで終わりませんでした。「明日が人生最後なら、わしは自分の想い通りに生きてみたい。せめて1日だけでも1人の本物の武士として徳川相手に戦をしてみたい。作戦はこうじゃ」その作戦とは、毛利軍が側面を攻めている間に、真田軍は正面突破で家康本陣を目指すと言う物でした。毛利軍との打ち合わせは既に死んでいました。単なる玉砕のように思えますが、他の九勇士は褒めます。数が少ない以上多少の冒険は、戦には必要です。そして、死中に活を見出す作戦こそ、勝機につながる可能性もあります。戦場は不思議な物で命を惜しんだものほど死亡率が高まりかねません。武士道は死ぬことと見つけたり…です。硬直する大助に幸村は、「わしが倒れたら、大助、お前が大御所の首をねらえ。」と言いました。大助は「お任せください父上。それでこそ尊敬する父上です」と手の平返しです。佐助は泣いてました。「おめーよー。やりゃできるんじゃないか。最後の最後に本気になりやがって。もう、俺はダメかと思っていたよ。」「我らは明日勝つ。生き抜いてみせるぞー」ここで初めて幸村と十勇士が1つになりました。改めて、酒盛りです。
真田十勇士のネタバレあらすじ:内通者の発覚
ほろ酔い気分で席を外れた筧十蔵は、立ちションを始めます。そこに近づいてきた者がいました。久々津忍者の仙九郎でした。報酬の小銭袋を投げつけ、情報を得ようとしました、「おお、真田の殿は面白いことを考えておるそ。ワシはその話に乗ることに決めた。だからこれは返すぜ」そう言って、小銭袋を投げ返します。「そうか、交渉決裂か。なら、覚悟は出来ておろう。でも忍びの情け、終わるまで待ってやるぜ。」「そうかい、ありがとよ」と放尿したまま、振り向きました。「うわ、危な。汚いだろうが」「そりゃ悪かったな。」戦闘は始まります。まだジョンジョロジョンジョロ出ています。出っぱなしなので、十蔵は不利です。そして、とどめを刺されようとした時、才蔵が声をかけました。「仙九郎、そこまでにしておけ。」残りの8勇士と幸村も駆けつけます。「ふ、裏切り者の始末は貴様らに任せるか。」そう言って、煙玉の煙幕と共に消えました。問題は十蔵です。由利「十蔵、まさか、八丁目門も?」筧「ああ、俺よ。覚悟は出来ている」剣を突きつけたのは才蔵でした。佐助は笑います。「もう何がホントで何が嘘か分からないや。どうせ嘘なら、筧十蔵が徳川方と内通していたことを嘘にしようぜ」ほかの皆も口々に言います。「九勇士じゃ語呂が悪いしのう」「「語呂って何だ?」」幸村も「十蔵、明日は頼むぞ」また、なし崩し的に才蔵は殺し損ねました。
真田十勇士のネタバレあらすじ:幸村と五勇士の最後
毛利軍の側面の攻撃が始まるまでは、真田軍が陽動です。真正面から攻め込みます。当然、火縄銃が撃ち込まれますが、前列だけがやられるだけで、木柵があっても蹴倒され、乱戦になります。毛利軍の側面攻撃もはじまり、本陣のある中央が手薄になった隙に、中央突破を狙いますが、多勢に無勢です。大将である幸村も狙われます。横を狙われてるうちに後ろから襲われます。間に合わないかと思われましたが、六郎がかばいます。でも、槍が腹を貫通していました。「殿、一足先に行ってます。」「六郎、今まで大義であった」 …海野六郎 絶命。由利鎌之助と筧十蔵は、互いの背中を守りながら戦っていました。しかし、仙九郎が隙を見て、鎌之助の熊の爪(ベアクロー)で腹を突き刺しました。十蔵も善戦しますが、それまでの蓄積もあり、やられてしまいます。そこに、才蔵が飛んできました。十蔵は才蔵に任せて、最後の力を振り絞り、鎌之助に近づきましたが、立ち往生していました。十蔵も息を引き取ります。…由利鎌之助 絶命・筧十蔵 絶命大助も落馬し危機が迫ります。望月六郎が下馬し、馬に助け上げますが、望月は、走ってきた敵兵の馬に跳ね飛ばされてしまいます。「望月―」「若、振り向かず、お走りください」「分かった」その隙に望月は敵兵にとどめを刺されます。…望月六郎 絶命。佐助は、大小の刀を振り回し二刀流で闘い続けています。でも隙を突かれ、燃える木盾に押しつけられ、足・背が燃えています。「いてーじゃねーか。この野郎!」と燃えて尚、元気です。才蔵VS仙九郎の戦いも佳境です。仙九郎が才蔵のマントを爪で切り裂きます。地面におろされても、才蔵の忍術は衰えません。驚異的なジャンプ力で、仙九郎を抱きかかえて杭に突き刺しました。流石の仙九郎も、息絶えました。真田父子が合流します。馬印を発見し、佐助が切り倒します。その一段上の丘には家康の本陣がありました。幸村と大助は馬で突っ込みます。しかし、そこには火縄銃の鉄砲隊がいました。当然、発砲されます。馬が倒れたので、自力で走ります。でも、たった2人の単騎ならぬ双騎駆けでは、集中砲火に勝てません。幸村が倒れ、大助が走りますが、近づけば近づくほど、命中精度は上がります。ダメでした。トドメを指されようとしたとき、爆発が起こります。佐助が爆裂弾を投げ続けています。近づいた徳川兵は爆風や火で吹き飛んでいました。尚も近づこうとする兵を、家康は「待てい」と留めます。武士の情けでしょうか。幸村は大助を抱きしめます。大助は「父上の子として生まれて幸せでした」と静かに息を引き取ります。佐助も近づいてきました。「佐助、楽しかったぞ。わしは本物になれたか?」佐助は「何を言ってるんだよ? アンタ、最初から十分本物だよ」幸村「秀頼様とお方様を頼む。」幸村も逝きました。甚八は倒れてる真田の鎧武者(おそらく海野六郎)に近づこうとして、三好兄弟に止められました。
真田十勇士のネタバレあらすじ:奇跡の大逆転劇
大坂城では、徳川軍による侵攻が始まっていました。城内は既に乱戦です。佐助も飛び込んでいきますが、火垂に襲われます。「才蔵はどこにいる?」「才蔵は… お、才蔵!」まるで後ろにいるかのように声をかけて、ごまかそうとしますが、火垂は騙されません。木の上まで追い詰められた佐助は、仕方なく何やらささやきました。天主閣付近では大野兄弟が柳生但馬守宗矩によって惨殺されていました。金の屏風が血で穢れます。淀君と秀頼の行く先を吐かなかったからです。その頃、地下蔵では(この時点では、どこか分からなかったのですが、何故か、小舟がある時点で予想しておくべきだったのかもしれません。)淀君と秀頼たちと、残り4勇士が合流していました。(ここで、甚八がいないことにも気づくべきだったのでしょう)何故か、険悪な空気になっていました。それは、才蔵が火垂るから受け取った矢文に密書の写しが書かれていたからです。それは、秀頼の命を救うために、淀君が内通していた証拠でした。才蔵と三好兄弟は許せません。1人、佐助だけが止めようとします。それが、亡き幸村の意志だからです。でも、水が入ります。久々津衆が柳生但馬守宗矩と共に現れたのです。「秘密を知られてからには全員に死んでもらおう」でも火垂が助けに入りました。才蔵だけ助けて、自分で殺すためです。しかし、残り4人衆はお構いなしです。佐助も残り3人と戦うには手加減できません。しかし、佐助は三好兄弟に止められていました。その隙に、才蔵は淀君と秀頼を切り殺してしまいます。佐助は怒りのあまり、三好兄弟を切り殺し、才蔵と相打ちになります。火垂が駆けつけますが、才蔵はこと切れてました。久々津衆の頭領・壮介の命令に従い、火垂は地下蔵に火をつけます。柳生但馬守宗矩が「トドメをさせい」と言いますが、火垂は動きません。壮介は宗矩に剣を突きつけ「我が不詳の娘の生涯最初で最後の恋。好きにさせてやってくだされ。」宗矩も「どうせ焼け落ちる。ひけー」火垂は焼け落ちる前に才蔵にキスをしました。さて、もうお分かりかと思いますが、芝居でした。秀頼は甚八で、全員生きていました。火垂も才蔵を助けるために仲間になっていたのでした。でも淀君の内通だけは本当でした。佐助達は、三つ葉葵(徳川紋)のつづらで眠っている本物、秀頼を連れ、小舟で地下運路に漕ぎ出します。淀君は、燃える大坂城と共に、裏切りと亡くなった者の責任を取るつもりです。佐助は言います。「アンタも幸村様も来世ではうまくやりなよ」その淀君にも迎えがきました。「幸村様」その時、地下蔵は燃え落ちました。大坂城外の城下町でも町民への略奪が始まっていました。誰も逃げる小舟に注意を払うものはいませんでした。
真田十勇士のネタバレあらすじ:エピローグ
大海原を帆船が航海を続けます。そこに、秀頼が海風に吹かれていました。「秀頼様、おっかさんのことを考えていたのかい? 間もなく讃岐の髙松につき、その次は小倉、目的地の薩摩は、まだ大分かかる。」秀頼「佐助殿が世話をかけた。感謝しておる。それに、母上のことは考えておらなかった。考えていたのは芋じゃ」佐「芋?」秀「薩摩といえば芋じゃ」佐「おまえ、秀頼様じゃなくて甚八か。うまく化けやがって」甚八が船室に逃げ込んだ代わりに今度は才蔵が出てきました。才「佐助、お前、火垂に何を吹きこんだ?」佐「あー、アレな。」(回想)「才蔵は言ってたぜ。火垂の奴、俺の女房にならないかな…。女房になれば、いつでも俺の命を狙い放題なのに…なーんて。」才「貴様」「ふーん。嘘だったんだ」 佐・才「「あっ」」 佐「う、嘘じゃないぞ。」 才「お、おう。行ったぞ。行った。火垂、嫁になれ」 火「ア・ン・タ・た・ち。許さない。」そう言って、吹き矢を連射します。佐助と才蔵は逃げまどいます。全員、船上にあがってきます。松任谷由美さん(ユーミン)のエンディング「残火」がかかりはじめます。でも、それどころじゃありません。紙芝居が始まったからです。キャラデザは、OP同様、植田羊一さんです。5勇士と秀頼一行は薩摩で、まず、したのは十勇士の補充でした。そのために、はじめたのは演劇集団「嘘か真か真か嘘か一座」です。そのオーディションで、漁師を集めたのですが、集まらないうちに幕府軍の追手が迫ります。でも、真田父子や、筧十蔵、由利鎌之助、望月六郎、海野六郎に似た漁師たちが助っ人に入ります。再び「真田十勇士」+火垂が揃いました。でも、薩摩にはいられません。そこで琉球に落ち延びます。今度は久々津衆の追手がやってきました。そこに琉球空手の達人が助けに入ります。「真田十一勇士」!一行はタイのヴァタビアに行きました。今度は王宮の追手です。次に助けてくれたのは武術シラットの達人が助けに入ります。「真田十二勇士」!!今度は上海に行きます。山賊に襲われましたが、青竜刀の達人が助けます。「真田十三勇士」。そして、日本に帰国し、島原で秀頼は天草四郎になり、1638年、島原の乱で、十三勇士と秀頼、火垂の15人は23年後、再び幕府軍と戦うことになるのです。
以上、映画「真田十勇士」のネタバレあらすじと結末でした。
真田十勇士について
敗者の美学が世間で認識されたのは、敗戦した戦後以降で、新撰組が再評価されたりしました。いやいや待てよ、真田幸村は?というわけで、今から401年前に、徳川家康に最後まで逆らい、王手の一歩手前まで行って散ったために「日本一の兵(つわもの)」と言われた真田信繁の映画です。これは、徳川幕府が豊臣秀吉の嫡子・秀頼、しかも孫娘・千姫の婿を殺したことを正当化する為の意味もあったのかもしれません。弱い相手を倒したのではなく、豊臣家であろうと徳川家に逆らえば倒すし、たとえ強い敵であろうと倒した意味で、真田信繁は強く描かれたのかもしれません。5代将軍・綱吉の元禄時代に「真田三代記」から幸村になっています。信?では徳川政府批判になるからです。歴史上、信繁が幸村を名乗ったことはないはずだけれど、可能性があるのは1614年の大坂冬の陣における入城において、だそうです。十勇士も元は3~7人の影武者でした。それが、十勇士になるのは大正時代の立川文庫からだそうです。さて、NHK大河ドラマの「真田丸」も、史実じゃないところもありますが、今回の映画では通説にない真田幸村を描こうとしています。信繁自体の歴史的資料は少なく、ましてや創作の十勇士は作品によって、年齢や能力も変わったりするため、それぞれで違いを楽しめます。